ライブドア:公認会計士が企業買収、決算粉飾に関与

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20060125k0000m040156000c.html

 ライブドア(東京都港区)グループの証券取引法違反事件で、同社の会計監査を担当した公認会計士が、グループと関係の深いコンサルタント会社代表に転身し、株価つり上げを目的とした企業買収や決算の粉飾に関与していたことが分かった。これらは、ライブドア側の指示で行われたという。東京地検特捜部は、ライブドア上層部が主導したとみて、会計士を巻き込んだ不正経理の解明に向け、同社前社長の堀江貴文容疑者(33)らを追及している模様だ。

 この会計士は03年12月まで、ライブドアの会計監査を担当する「港陽監査法人」(横浜市)に所属。03年9月期決算について「適正」とする監査報告書を提出した後、ライブドアと関係が深いコンサルタント会社「ゼネラル・コンサルティング・ファーム」(同)の代表取締役に就いた。同社は今月16日に特捜部の家宅捜索を受けた。前任の代表取締役ライブドアの前財務担当取締役、宮内亮治容疑者(38)だった。

 関係者によると、ゼネラル社と会計士は、ライブドアグループによる株価つり上げ目的の計6社の買収工作のうち、04年2月の人材派遣会社「トライン」(渋谷区)の買収に関与。この件はライブドア取締役の岡本文人容疑者(38)が担当し、交渉中に何度もゼネラル社に連絡して「これでいいか」などと確認していたという。

 さらに、会計士は6社のうち、消費者金融「ロイヤル信販」(現ライブドアクレジット)と結婚仲介サイト運営「キューズ・ネット」の2社の預金など計約15億円を、ライブドアや関連会社に付け替える経理操作を行い、そのうえで、実際には赤字だったライブドアの04年9月期決算を、粉飾の結果黒字と公表するうその内容の決算書や、法人税の確定申告書も作成していたとされる。

 6社を巡っては、堀江前社長らが、既にグループ企業だったことを隠して、株式交換での買収を公表。交換に伴い発行されたグループ企業の新株を海外ファンドに売却し、総額100億円近くの利益がライブドア本体に還流したことが判明している。

 ゼネラル社は毎日新聞の取材に「何も言えない」としている。