木村建設の監査役税理士「一度も監査の依頼されず」

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 耐震強度偽装事件で、利益水増しの疑いが持たれている木村建設熊本県八代市、破産手続き中)の監査役を務めた税理士が、警視庁などの合同捜査本部の調べに対し「就任以降、一度も監査役としての仕事を依頼されなかった」と話していたことが、22日分かった。同社の決算承認手続きが形骸化していたことを裏付けるとみて、同本部は建設業法違反容疑での幹部らの立件に向け詰めの捜査を急いでいる。

 関係者によると、この税理士は、30年以上前から木村建設の税務処理を担当。同社が自己破産の手続きを始めた昨年12月まで5年以上、監査役を務めていた。木村建設には、この税理士を含め監査役が2人いたが、もう1人の監査役が辞任した2003年3月以降はこの税理士が1人で務めていた。

 捜査本部の事情聴取に対し、税理士は「木村建設から一度も監査を依頼されたことはない。監査役としての報酬もなかった」と説明したという。