有価証券報告書の虚偽記載、課徴金に法制局が難色

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050209AT1F0801L08022005.html

 金融庁が法案作成中の有価証券報告書に虚偽の記載をした企業から課徴金をとる制度に内閣法制局が難色を示していることが8日、分かった。法案を審査する立場から、課徴金について刑罰上の罰金との区別が明確につかなければ、憲法違反になる恐れがあると懸念しているもよう。調整がもたつけば、金融庁が目指す3月半ばの法案提出はずれ込みそうだ。

 同日開いた金融審議会の部会で金融庁幹部が「法案づくりが難航している」と発言、昨年末からの法制局との議論の進ちょくを明らかにした。

 金融庁によると、法制局が問題視しているのは課徴金として没収する額である「不正で得た額」の算出根拠があいまいという点だ。金融庁は虚偽記載をしていた間の時価総額の平均などに一定の割合をかけたものが「不正で得た額」にあたると主張。法制局はこれを「抽象的」として認めていないという。審査を通らないまま、法案は政府内で宙に浮いている。