会計士協会、IT企業の監査を厳格化

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050315AT2D1501715032005.html

 日本公認会計士協会(藤沼亜起会長)は15日、情報技術(IT)関連企業に対する監査を厳格化すると正式発表した。IT業界における取引実態の分析や監査上の注意点に関して協会内のプロジェクトチームがまとめた報告書をもとに、会員に対して2005年3月期からの監査厳格化を要請する。

 報告書では商社的なソフトや機器などの仲介取引に関して、(1)付加価値を付けず、帳簿上を通過するだけのスルー取引(2)複数の企業を経由して最終的に起点の企業に戻るUターン取引――などに特に注意するよう指摘。開発・販売計画、検収報告書、取引先を含めた確認を求め、十分な証拠がなければ、監査範囲の限定も検討するように求めている。

 さらにIT企業の取引に関して会計処理の具体的な基準がないことが、粉飾決算などの温床になっているとして、企業会計基準委員会に対して、早期に明確な会計基準の設定も要請する。