金融庁審査会、「共同監査」改善求める・企業合併で急増

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 金融庁傘下の公認会計士・監査審査会は、企業合併などに伴って増えている複数の監査法人による企業への「共同監査」に関し、是正を求める方針を固めた。監査体制が弱まり、不正会計を見逃すことにもなりかねないと判断、監査の責任体制の明確化などを求める。すでに監査法人を監視している日本公認会計士協会への立ち入り検査に着手した。必要に応じ監査法人や企業の検査も検討。問題があれば金融庁行政処分を勧告する。

 会計士協は各監査法人が適切に実務をこなしているかをチェックする業界の自主規制機関。会計不祥事を受け昨年4月に発足した金融庁の審査会は、会計士協のチェック体制が機能しているかなどを検査する権限を持つほか、必要があれば個別の監査法人や企業への立ち入り検査もできる。会計士協への立ち入り検査は審査会発足後、今回が初めて。