企業の監査、二重チェックを・企業会計審が新ルール

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 金融庁企業会計審議会は28日の総会で、監査法人が企業をどう監査すべきか定めた監査基準の見直しを2006年度から適用することを決定した。監査法人に、監査結果を担当とは別の会計士が二重点検する仕組みづくりなど監査の質向上に向けた内部管理体制の強化を求める。

 今回の監査基準見直しはカネボウの粉飾など監査法人が見抜けない例が多発していることを受けたもので、監査法人による組織的監査を強化するのが狙い。記者会見した加古宜士会長(早大教授)は「監査を巡る動きがめまぐるしい。今後もいち早く見直していく」と述べた。

 監査基準のうち監査法人の内部管理の規定を独立させ、「品質管理基準」を新設。法人内に審査部門を置き、担当者とは別の会計士が監査意見の表明までのプロセスをチェックする。所属会計士が任期満了で交代する場合、経営破綻や粉飾の可能性などを後任に引き継ぐことも義務づける。