ライブドア宮内氏企業 監査会計士、役員を兼務 「適正」報告後は代表

産経ニュース

 ライブドア粉飾決算疑惑で、同社の決算監査を担当した「港陽監査法人」(横浜市)の公認会計士が、同じ時期、ライブドア宮内亮治取締役(38)が代表取締役を務めていたコンサルタント会社の役員を兼務していたことが二十一日、分かった。ライブドア本体やグループ企業の監査役を務める弁護士も一時、この会社の役員に名を連ねていた。公認会計士法に抵触する疑いもあり、監査する側と監査される側の不自然な関係が浮かび上がった。

 この会社は「ゼネラル・コンサルティング・ファーム」(横浜市)。

 登記簿などによると、平成十二年十一月、別の社名で東京都新宿区に設立されたが、十五年七月、現在の社名に変更し、横浜市に移転。同時に宮内取締役がゼネラル社の代表取締役に就任し、会計業務や企業合併、投資顧問業などを目的とした会社に生まれ変わった。

 関係者によると「宮内氏が買収して横浜に移転させ、その後、ライブドアグループの経理業務の外部委託を受ける会社に衣替えした」という。

 一方、宮内取締役とともに十五年七月にゼネラル社の役員に就任した公認会計士は当時、港陽監査法人の前身の神奈川監査法人に所属。ライブドアの十五年九月期決算を担当し、「適正」とする監査報告書を提出した。提出後の同年十二月に同監査法人を脱会し、宮内取締役の後任としてゼネラル社の代表取締役に就任している。

 また上場前からライブドア監査役を務め、ライブドアマーケティングやマネーライフなどグループ全体の監査役になっている弁護士も、ゼネラル社役員を十六年四月から四カ月間務めていた。

 粉飾決算の疑いが持たれているのは、翌十六年九月期の決算で、この監査も港陽監査法人の別の会計士が担当した。同監査法人は今月十七日、東京地検特捜部の家宅捜索を受けたほか、日本公認会計士協会も調査を始めている。

 ライブドアの決算書を見たある公認会計士は「公認会計士が百人いたら、九十九人は承認しないだろう」と内容のずさんさを指摘している。

 公認会計士法は、会計士が著しい利害関係を有する会社について、財務監査の業務をすることができないと定めている。