ライブドア:2部上場を工作 監査報告「違法」部分を削除

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060124k0000e040067000c.html

 証券取引法違反容疑で逮捕されたライブドア(東京都港区)社長の堀江貴文容疑者(33)が昨年秋、東証2部上場を狙って大手証券会社と協議を重ねていたことが、市場関係者の話で分かった。この時期には「港陽監査法人」(横浜市中区)による監査調書の改ざんが判明しており、ライブドアが、上場への審査などを有利に進めるために依頼したものだったという。企業価値を高め、投資家への認知度アップにつながる2部上場のために、不正を強要した実態が浮かんだ。

 ◇昨秋、証券会社が拒否

 東京地検特捜部も同様の経緯を把握しており、監査法人まで巻き込んだ上場工作についても解明を進めるとみられる。

 関係者によると、堀江社長衆院選に立候補(落選)した05年夏ごろから、経営陣は東証マザーズから東証2部へのくら替えを計画。大手証券会社に手続きを依頼した。ところがその後、港陽監査法人が05年9月期決算の監査調書に「株式交換による企業買収には、法律上問題がある」という趣旨の記載をしていたため、上層部で対策を協議したという。

 堀江社長や、側近で財務担当取締役の宮内亮治容疑者(38)らは、この調書が添付されたままでは2部上場は不可能と判断。同監査法人の担当会計士に修正を依頼して、違法性を指摘した表記を削除させた。

 大手証券会社は、修正された監査調書を添付した決算書などの提出を受け、上場が可能かどうか検討に入った。しかし、簡単に監査調書が書き換えられたことも含めて問題が多いと判断し、最終的に手を引いたという。関係者は2部上場へと動いた理由について「社会的信用度が増し、融資など資金面でも有利になるため」と話している。

 東証1、2部上場には主に▽利益や自己資本など財務▽株主数など株式分布▽売買量、時価総額など流動性−−の三つの基準をクリアすることが要求される。東証マザーズ上場が上場時株式数1000単位以上、上場時価総額10億円以上などと定められているのに対し、2部上場は4000単位以上、20億円以上と厳しくなっている。