公認会計士・監査審査会、まず監査法人の業務内容検証に重点

 公認会計士・監査審査会は30日、今後の活動の進め方などを盛り込んだ基本方針を発表した。業務開始の初年度となる2004年度は、日本公認会計士協会監査法人の業務内容が適切かどうかを調べる「品質管理レビュー」についてきちんと機能しているか集中的に調べる。立ち入り検査の実施など摘発作業に関しては、当面慎重な構えだ。

 審査会は金融庁の下部組織で、品質管理レビューの中身を点検することで間接的に監査法人を監視する役割を担っている。同日会見した金子晃会長は「まずはレビューの実態を把握する」と今年度の活動計画を説明。権限として持っている監査法人や会計士協会、監査先の企業への立ち入りについては「取り締まりという形で活動するのではない」と慎重な姿勢を見せた。

 審査会は現行17人の審査・検査体制も今年度内は増員しない考え。粉飾決算など会計不祥事については、金融庁本体による調査や検査の力を借りることで対応していく。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20040630AT1F3001K30062004.html