米住宅公社の2003年決算半年遅れで公表、52%の減益

 【ニューヨーク=豊福浩】粉飾決算に揺れる米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は6月30日、2003年通期の決算を発表した。純利益は48億9100万ドル(約5300億円)と前年比52%の減益。旧経営陣による粉飾行為を踏まえ、同社は会計関連の業務を全面的に見直しており、業績の公表は約半年遅れとなった。

 減益は金利変動のリスクを回避するために活用しているデリバティブ金融派生商品)で多額の評価損が生じたため。時価会計の導入による側面が濃い。旧経営陣は投資家に安定成長が続いている印象を与えるために粉飾に手を染め、業績の変動を隠していた。旧経営陣は粉飾行為が発覚した昨年6月以降、相次いで更迭されている。同社は会計業務の見直しに昨年だけで1億2400万ドルを投入。粉飾関連の法的対応費用として4800万ドルを費やしたことも明らかにした。現時点でも会計業務の見直しは続いており、四半期決算の定時公表は来年以降になるという。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20040701AT2M0100A01072004.html