EU財務相理事会、新加盟国に財政赤字削減期限設定

 【ブリュッセル=刀祢館久雄】欧州連合(EU)は5日、ブリュッセルで開いた財務相理事会で、5月に新規加盟した中・東欧など10カ国の財政状況を初めて審査した。うちポーランドなど6カ国が過剰な財政赤字を出しているとして、国ごとに期限を設けて削減を要請した。

 EUは財政規律を定めた「安定・成長協定」に基づき、加盟国に毎年の財政赤字国内総生産(GDP)比で3%以下に抑えるよう求めている。6カ国は赤字がこの枠を超えており、是正策の導入を義務付けられる。是正期限はポーランドスロバキアが2007年、チェコハンガリーが2008年など。

 財政赤字の抑制は各国が目指すユーロ導入に必要な条件でもある。新加盟国ではスロベニアエストニアリトアニアの3カ国が6月末に、ユーロ参加への準備段階である欧州為替相場カニズム(ERM2)に加わった。これに対し、今回過剰赤字を指摘されたポーランドチェコは、財政健全化に時間がかかるためユーロ導入も遅れるのが確実だ。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040706AT2M0600906072004.html