会計監査、不正発見に重点・会計士協、来年度から

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 日本公認会計士協会(藤沼亜起会長)は2006年度から、企業経営者による不正を見抜くことに重点を置いた会計監査の手法を導入する。カネボウ粉飾決算をはじめ、会計士が経営者の不正を見逃す事例が相次いでいることを問題視。経営者の置かれた状況から不正が疑われる場合には、抜き打ち検査なども行うようにする。国際基準に沿う形で監査の質を高め、財務諸表の信頼性を確保する。

 会計士協は現在、監査手続きの世界標準である国際監査基準(ISA)に国内ルールを合わせるよう、全面的な改定作業を進めている。06年度末までの完了を目指しており、不正発見に関する手続き導入もその一環。

 従来の監査は不正発見を義務づけておらず、企業の作成した財務諸表に誤りがないかを確認する点を重視していた。このためカネボウのように、経営者が意図的に虚偽の資料を提出すると、不正を見抜くのが難しいとの指摘もあった。