<カネボウ事件>70年代から粉飾 会計士ら3日起訴

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051003-00000010-mai-soci

 カネボウ粉飾決算事件で、証券取引法違反容疑で逮捕された中央青山監査法人公認会計士、佐藤邦昭容疑者(63)ら4人が、カネボウの粉飾への協力について「自分が監査チームに入った時からあった」と東京地検特捜部の調べに認めていることが分かった。4人は14〜29年間、同社の会計監査に携わっており、70年代から粉飾が続けられていたことが裏付けられた。特捜部は、佐藤容疑者らが長年にわたる企業と監査担当者との慣習的ななれ合いを断ち切れず事件に至ったと判断した模様だ。
 特捜部は4人の拘置期限となる3日、佐藤容疑者と徳見清一郎(58)、神田和俊(55)両容疑者の計3人を02〜03年3月期に800億円超の粉飾決算を指南した同法違反の罪で起訴する。一緒に逮捕した宮村和哉容疑者(48)については関与が従属的として起訴を見送る方針。
 関係者によると、佐藤容疑者らは「監査チームに入った時には既に、カネボウ側の意向に沿うような監査が行われていた。先輩の姿を見て、クライアント(依頼主)を大事にしないといけないと思った」などと供述しているという。佐藤、徳見両容疑者は73年にカネボウの監査を初めて担当し、神田容疑者は91年から、宮村容疑者は86年から監査チームに加わった。
 カネボウの監査チームは約20人で構成。チーム内の他の会計士の一部は02〜03年の監査などで、連結決算の対象から外す手口で粉飾が行われた子会社の毛布加工・販売会社「興洋染織」(大阪府和泉市、解散)や食品会社「カネボウフーズ」の販売子会社6社の不良在庫について「これはおかしいんじゃないですか」などと上司の会計士に指摘していた。しかし、佐藤容疑者らは長年にわたる不正への関与発覚を恐れ、指摘を聞き入れなかったという。