中央青山、全理事が辞任・「法人不起訴」でも危機感

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 カネボウ粉飾決算事件で東京地検特捜部は3日、佐藤邦昭容疑者(63)ら中央青山監査法人所属の会計士3人を証券取引法違反罪で起訴した。これを受け、同法人は理事長を除く理事全員の辞任など社内処分と再発防止策を発表した。法人としての立件は見送られたが、内部チェック機能が働かなかった実態が露呈し、信用失墜で経営が揺らぎかねないとの危機感を強めている。

 「本日、理事全員が辞任したので、私1人で説明します」。中央青山の奥山章雄理事長は3日開いた会見の冒頭、10人の理事が辞任したことを明らかにした。続けて、カネボウ粉飾事件で「信頼関係を損なったことを心よりおわびします」と陳謝。逮捕された4人の会計士から辞任届を受け取っており、うち起訴された3人を実質的に除名処分とすることも発表した。

 会計士の増員など粉飾事件の再発防止策も打ち出した。管理体制強化はコスト増を招くが、「経営が成り立つ限界まで監査の質を上げる」決意という。