カネボウ粉飾、「黒字は1億円以下に」・会計士が具体的助言

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 カネボウ粉飾決算事件で起訴された中央青山監査法人公認会計士、佐藤邦昭被告(63)らが2002年3月期連結決算で、「黒字幅は1億円を超えないように」などとカネボウ旧経営陣に助言していたことが3日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、粉飾を見逃す基準を具体的に示したことが悪質と判断しているもようだ。

 関係者によると、02年3月期決算の最終的な取りまとめ作業が行われていた同年4月、カネボウ幹部らは「銀行に対する信用問題もあるので、黒字決算にしないと困る」などと佐藤被告らに要請。同被告らは「分かりました。でも目立ちますから黒字幅は1億円を超えないようにしてください」などと具体的な金額を挙げ、黒字を容認する姿勢を示したとされる。