資格大手「TAC」、専門職大学院の設置申請取り下げへ

http://www.asahi.com/national/update/1005/TKY200510050311.html

 資格試験予備校大手で東証一部上場の「TAC」(本社・東京、斎藤博明社長)が、来春の開校を目指していた会計専門職大学院の設置申請の取り下げを5日、文部科学省に申し入れた。受験生向けに配っていたパンフレットに、設置基準に違反する内容の記載をしていたことが発覚したため。大学・大学院の設置申請を丸ごと取り下げるのは異例の事態だ。

 文科省によると、同社は、構造改革特区を利用した株式会社立の専門職大学院「TAC大学院大学」(通学・通信制あわせて定員130人)の設置を申請していた。会計専門職大学院を修了すると、公認会計士試験の一部が免除される。

 専門職大学院については、高度な専門性を備えた職業人を養成するため、短期間で過剰な単位を履修しないよう設置基準で年間の上限単位数が定められている。

 ところが、TACのパンフレットに記載された「履修モデル」には、1年次に上限を超える46単位を取れると示されていた。

 文科省は「資格試験準備に偏った詰め込み教育になりかねない」として、4日に同社に対して厳重注意していた。

 同社は9月初旬以降、パンフレットの回収を始めており、「このような法令違反を起こさないよう体制整備を図る」とのコメントを出した。