株式の大量取得、情報開示2週間ごとに・金融審

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 金融審議会(首相の諮問機関)は21日の作業部会で、上場企業の買収ルールに関する報告書をまとめた。1企業の株式の5%超を取得した機関投資家による情報開示の頻度を高め、今の「3カ月ごと」から「2週間ごと」に改める。TOB(株式公開買い付け)を仕掛けた側が買収防衛策を発動された場合に撤回できる仕組みも導入する。企業買収の透明性や柔軟性を高めることで、株式市場が動揺するのを防ぐ。

 金融庁証券取引法の改正案を来年の通常国会に提出する。今回の制度見直しは、ライブドアによるニッポン放送株の取得など企業買収案件が増えるなかで、制度の不備を突く形で攻防が繰り広げられ、株価が乱高下したことなどがきっかけ。

 現行の株式大量保有報告制度は、発行済み株式の5%超を取得したり、その後に1%以上の変動があった投資家に地方財務局への報告を義務付けている。取得・変動から5営業日以内が原則だが、投資ファンドや証券会社などには、持ち株10%以内なら3カ月ごとの報告でよい特例を設けている。